股関節の形成不全というのは、犬によく見られる病気です。
股関節を組織している、大腿骨と骨盤のおさまりがよくなく、関節がゆるかったりして、歩きづらかったり、痛みが出てくるものです。
股関節の形成不全は先天的なもので、全犬の5割、つまり2頭に1頭はこの症状が見られると言われています。
しかし、実際に犬の歩行に異常が見られるのはゴールデンレトリーバーやラブラドールなどの大型犬がほとんどで、チワワなどの小型犬では、検査などでたまたま形成不全が見つかることはあっても、それが実際に生活に支障を与えることがないため、外見から発見することは、なかなか難しいようです。
また、大型犬であっても、成長して体重が増えるにつれて痛みなどの症状が悪化するということが多いため、子犬の頃は分からないことが多いです。
犬の股関節形成不全では、大型犬が成長につれて、歩き方がおかしいとか、おすわりをさせると横座りをするなど、行動の異常で気づく場合もあります。
ただ、人間でもそうですが、徐々に痛みが出てくるため、自然と痛みを感じないような歩き方を身につけてしまい、痛がることが少ないために気づかないこともあります。
実際、何かのきっかけで思いっきり足を踏ん張る、例えば何かに驚いて走り出すとか、障害物を飛び越えようとジャンプする、歩道橋などの階段を上るといったときに股関節に力がかかり、突如として痛がることで病院での検査を受けたという飼い主さんも多いのです。
こういった股関節形成不全症では、自然治癒は望めないことが多いですが、比較的軽度の症状の場合は、とりあえず消炎鎮痛剤をエサに混ぜて飲ませることで痛みを取るとともに、食事制限を行なって、体重を必要以上に増やさないといった対策でしのげる場合があります。
体重を増やさなければ、その後の症状の悪化も防げる確率が高くなるからです。
重度であったり、大型犬だったりすると、手術が必要になります。
まだ子犬の時に症状が出た場合は、骨盤の一部を削って大腿骨頭を受けるところを広くするという手術が行なわれます。
また、大腿骨頭を切除してしまうことで、大腿骨頭より小さくて丈夫な偽関節ができることを利用した手術もあります。