赤ちゃんが股関節を脱臼すると聞くと、知らない人は「痛いだろうなあ」とかわいそうに思ってしまうでしょう。
しかし、実際には先天性股関節脱臼といって、赤ちゃんが股関節を脱臼していることは、それほど稀なケースではありません。
特に新生児の頃は、骨盤が大人ほどしっかりとした形をしているわけではありませんので、大腿骨が通常の位置から外れてしまっても、それだけで痛みが伴うというわけではないのです。
ただ、通常の赤ちゃんであれば、足を大きく広げてカエルさんのような足の形になるほど股関節が柔らかく動くのが普通ですが、脱臼してしまうと、そういった動きができなくなってしまったりします。
また、足の付け根のあたりのシワが左右対称でなかったり、脚の長さが両脚で差があったりして気づくこともあるようです。
ただし、両脚が脱臼していると、脚の長さもさほど違いがでないこともあり、この診断方法は適切ではありません。
新生児3ヶ月健診などでは、医師が新生児を仰向けにした状態でひざを軽くつけさせ、その後、ゆっくりと開かせるといった検査をします。
このときに、脚がぺたっと診察ベッドの床に付かなければ、開排制限といって、股関節の異常が疑われることになります。
先天性股関節脱臼といっても、原因は意外と後天性のものだったりします。
というのも、抱っこやおんぶの仕方が正しくないと、股関節に必要以上の外力がかかって外れてしまうことが多いからです。
最近ではベビースリングも脱臼の原因の一つとして懸念されています。
以前は遺伝性があるとも言われていましたが、抱き方は家族ごとに癖が出るため、発祥にも家族性が出るのだという説が有力になってきました。
実際、産婦人科などで抱き方の科学的指導が行なわれるようになって以降は、先天性股関節脱臼の症例も減ってきているようです。
赤ちゃんの股関節脱臼治療にはリーメンビューゲルというベルトが利用されます。
早めに治療を開始すれば問題なく治ることが多いのでそれほど悲観的になる必要もないでしょう。